作品紹介
冴えないリーマンの田中(50歳)は、会社からの帰宅途中、暗い路地裏を歩いていた。
落書きの残るコンクリート壁の間を抜けるとき、若い女が視界に入った。金髪の短い髪、黒いキャミソールに赤いチェックシャツを羽織った体つきだった。田中の目は、自然と胸元に吸い寄せられた。キャミソールの深い開きから見える谷間を、はっきりと見てしまう。
(エロいな……)
心の中でそう思った瞬間、女の視線が田中とぶつかった。やらしい視線に気づかれたのが分かった。
女が歩みを止めて、まっすぐこちらを向いた。
「おっさんキモいなぁ。胸見てんじゃねぇよ。不愉快だからとりあえず出して」
手を伸ばして金を要求してくる。いわゆる親父狩りだった。
「勘弁してくれよ……」
田中は声が裏返るほど動揺した。見てしまったのは事実だし、心の中で思ったことも事実だった。体を横にずらして逃げようとするが、歳の差もあり女の方が動きが速く、すぐ後ろまで追いつかれてしまう。
仕方なく財布を取り出すそぶりを見せた。女が少し気を取られた隙に、また走り出した。狭い路地を必死に抜けるが、体力の差は明らかだった。数歩も進まないうちに手首を掴まれ、そのまま胸ぐらを掴まれる。
女の顔が間近に来る。壁に押しつけられるような形で、田中は動けなくなった。
「逃げるんじゃねぇよ。さっきから視線がいやらしいんだよ」
女の声が低く落ちた。路地の空気が、急に重くなった。
落書きの残るコンクリート壁の間を抜けるとき、若い女が視界に入った。金髪の短い髪、黒いキャミソールに赤いチェックシャツを羽織った体つきだった。田中の目は、自然と胸元に吸い寄せられた。キャミソールの深い開きから見える谷間を、はっきりと見てしまう。
(エロいな……)
心の中でそう思った瞬間、女の視線が田中とぶつかった。やらしい視線に気づかれたのが分かった。
女が歩みを止めて、まっすぐこちらを向いた。
「おっさんキモいなぁ。胸見てんじゃねぇよ。不愉快だからとりあえず出して」
手を伸ばして金を要求してくる。いわゆる親父狩りだった。
「勘弁してくれよ……」
田中は声が裏返るほど動揺した。見てしまったのは事実だし、心の中で思ったことも事実だった。体を横にずらして逃げようとするが、歳の差もあり女の方が動きが速く、すぐ後ろまで追いつかれてしまう。
仕方なく財布を取り出すそぶりを見せた。女が少し気を取られた隙に、また走り出した。狭い路地を必死に抜けるが、体力の差は明らかだった。数歩も進まないうちに手首を掴まれ、そのまま胸ぐらを掴まれる。
女の顔が間近に来る。壁に押しつけられるような形で、田中は動けなくなった。
「逃げるんじゃねぇよ。さっきから視線がいやらしいんだよ」
女の声が低く落ちた。路地の空気が、急に重くなった。