作品紹介
白に近い金髪に、毎朝きちんとしたメイク。
でも仕事の日は、キャップとダボっとしたパーカーで、スーパーのレジに立ってる。
常連のおばあちゃんには、袋詰めまで手伝って「ありがとね」って笑顔。
古いアパートに帰れば、ひとりで子育てするやさしいママ。
疲れていても、玄関の前ではいつもの笑顔に戻してから、ドアを開ける。
そんなあゆが、レジで大きなミスをした日。
年配の店長に深く頭を下げると、店長は怒らずに、
「いつもがんばってるから。臨時ボーナス」と封筒を差し出した。
夜、封筒を開けたら、涙が止まらなくなった。
返さなきゃ。でも、それだけじゃ足りない。
いつも庇ってくれる店長に差し出せるものは、自分の体だけだった。
いつものパーカーを脱いで、肩の出る白いニットに、短いスカート。
店長の家の和室で、封筒を返そうとする手を止めて、自分から距離を縮める。
「お礼、させてください」
嫌だからじゃない。この人にだけは、ちゃんと返したかった。
障子の向こうが白みはじめるころ、乱れた髪をキャップで隠して、
いつものママの顔に戻って、そっと帰っていく。
椎名 あゆ/24歳/シングルマザー・スーパーのパート
でも仕事の日は、キャップとダボっとしたパーカーで、スーパーのレジに立ってる。
常連のおばあちゃんには、袋詰めまで手伝って「ありがとね」って笑顔。
古いアパートに帰れば、ひとりで子育てするやさしいママ。
疲れていても、玄関の前ではいつもの笑顔に戻してから、ドアを開ける。
そんなあゆが、レジで大きなミスをした日。
年配の店長に深く頭を下げると、店長は怒らずに、
「いつもがんばってるから。臨時ボーナス」と封筒を差し出した。
夜、封筒を開けたら、涙が止まらなくなった。
返さなきゃ。でも、それだけじゃ足りない。
いつも庇ってくれる店長に差し出せるものは、自分の体だけだった。
いつものパーカーを脱いで、肩の出る白いニットに、短いスカート。
店長の家の和室で、封筒を返そうとする手を止めて、自分から距離を縮める。
「お礼、させてください」
嫌だからじゃない。この人にだけは、ちゃんと返したかった。
障子の向こうが白みはじめるころ、乱れた髪をキャップで隠して、
いつものママの顔に戻って、そっと帰っていく。
椎名 あゆ/24歳/シングルマザー・スーパーのパート