作品紹介
藤原 ことね(23)保険会社の窓口事務・社会人2年目
【彼女のスマホをのぞいたら】
俺の彼女は、自慢の彼女だ。
おっとりしていて、誰にでも敬語。
窓口ではいつも丁寧で、お客さんにも評判がいい。
化粧っ気はないけど、笑うと口を閉じてはにかむところがたまらなくかわいい。
付き合って2年。
夜はいつも、電気を消して、正常位。
ことねは布団で胸を隠して、声もこらえて、目も合わせてくれない。
口でしてほしいなんて、一度も言えたことはない。
ことねは恥ずかしがり屋だから。
それでいい。俺は満足してる。
ことねも、きっと。
――そう思ってた。
ある朝。
隣でぐっすり眠ることねのスマホが光った。
黄色いアイコンのアプリから、一件の通知。
「たく:次いつ会える?」
開いたトークの相手は、ひとりじゃなかった。
「たく」「Kさん」「りょう」。
りょうとのトークには、
「彼氏寝たら連絡する」
アルバムには、明るい部屋で、まっすぐカメラを見つめることね。
俺には一度も見せたことのない顔。
俺には一度もしてくれなかったこと。
最後の一枚は、
デートで着ていた、あのグレーのワンピースだった。
【彼女のスマホをのぞいたら】
俺の彼女は、自慢の彼女だ。
おっとりしていて、誰にでも敬語。
窓口ではいつも丁寧で、お客さんにも評判がいい。
化粧っ気はないけど、笑うと口を閉じてはにかむところがたまらなくかわいい。
付き合って2年。
夜はいつも、電気を消して、正常位。
ことねは布団で胸を隠して、声もこらえて、目も合わせてくれない。
口でしてほしいなんて、一度も言えたことはない。
ことねは恥ずかしがり屋だから。
それでいい。俺は満足してる。
ことねも、きっと。
――そう思ってた。
ある朝。
隣でぐっすり眠ることねのスマホが光った。
黄色いアイコンのアプリから、一件の通知。
「たく:次いつ会える?」
開いたトークの相手は、ひとりじゃなかった。
「たく」「Kさん」「りょう」。
りょうとのトークには、
「彼氏寝たら連絡する」
アルバムには、明るい部屋で、まっすぐカメラを見つめることね。
俺には一度も見せたことのない顔。
俺には一度もしてくれなかったこと。
最後の一枚は、
デートで着ていた、あのグレーのワンピースだった。